一曲入魂 [音楽本]
金聖響+玉木正之の「ベートーベンの交響曲」講談社現代新書1915より。
一つの作品を演奏するのに、その作曲家のいろいろな作品を聴くのは当たり前の
ようにやっていたが、次の視点はなかったかも。
思いっきり意訳すると(厳密には作曲時期の前後などいろいろあるけど)、、、
「ベートーヴェンの5番を演奏するのに、6番や9番などのことは忘れる。5番が
作られたときは、まだ世の中に6、7、8、9番などの作品は生まれていなかった。
作曲当時のそれまでの作品の集大成が反映されているのみ。後世の我々は
交響曲が9曲あることを知っているが、作曲した当の本人は、少なくとも作曲
時点ではそのことを知らない。」
ということで、ベートーヴェンの交響曲だけでなく、すべての作品において、
もう少し一曲入魂ということを真剣に考えて作品に対峙すべきなのかな?
それ以外で気になった言葉。
「音の事実を再現するだけ」
「頭の中の理想の音」と「現実に出ている音」との比較と瞬間的な調整
聖響さんの演奏はあまり聴いたことがなかったのですが、OEKのCDなど
少し集めてみようかな?
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